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●油圧ポンプについて 油圧装置には様々な機器が使われていますが、この中で油圧装置の心臓部であり、 構造がちょっと変わっている油圧ポンプについて紹介しましょう。 油圧モータは入出力が逆になるだけで、構造としては概ね油圧ポンプと同じです。 ポンプは原理上、ターボ式と容積式があります。油圧ポンプとしては、 「固体壁の移動に基づく容積の変化を利用し、空間内に閉じ込められた液体を圧力 に抗して押し出す作用により液体に静水力学的エネルギーを与える」 容積式が使われます。 構造上は、ギア・ポンプ,ベーン・ポンプ,ねじポンプ,アキシャル・ピストン・ポンプ, ラジアル・ピストン・ポンプなどに分類できます。ここでは、航空機で使用されている アキシャル・ピストン・ポンプについてお話します。 航空機では可変容量型斜板式アキシャル・ピストン・ポンプと呼ばれる ポンプが使われます。可変容量型というのは、一定の圧力のもとで流量が 零の状態から最大値までをポンプ自身が調整する仕組みです。 仕組みの詳細は省略しますが、この仕組みによって、必要な流量だけを吐出 するため効率の高い装置が構成できます。効率が悪いと、多くのエネルギが熱になり、 温度がどんどん上昇するので、できるだけ効率の高い装置を目指しています。 航空機でアキシャル・ピストン・ポンプを使用するのは、高圧,高速に適した 構造だからです。 押しのけ容積という指標があります。油圧ポンプを1回転させたときの容積の変化を 示しています。油圧ポンプが吐出する流量は、押しのけ容積と回転速度の積で 求められます。したがって、小さいポンプで大きな流量を得るためには高速で 回転させる必要があります。B747やB777といった大型民間輸送機の油圧ポンプは 圧力が3,000 psi(20.7 MPa),回転速度は3,750 rpm(3,750 1/min)です。 一般の機械で使われるポンプとの相違点は、小型・軽量・高速を苛酷な環境 (例えば、油温は−54〜135℃,振動は20G 程度)で実現するために、アルミニウム合金, チタン合金,特殊銅合金といった高価な材質を使っていることでしょうか。 |
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●油圧ポンプの構造について アキシャル・ピストン・ポンプは図2のような構造をしています。 ピストン頭部のピストン・シューは、ドライブ・シャフトの軸心とある角度をもつ ヨーク(斜板)内のシュー・ベアリング・プレートとリテーナ・リングの間に ホールド・ダウン・プレートと共にはさみ込まれています。したがって、 ピストン・シューはヨークの傾斜角に沿って摺動します。すなわち、 ドライブ・シャフトがエンジンや電動機によって回転させられると、 ピストンはシリンダ・ブロックのボアの中で往復運動を行うことになります。 ピストンがバルブ・プレートから遠ざかっていくと、油がインレット・ポートから シリンダ・ブロックのボア内に入ってきます。(吸い込み行程)また、 ドライブ・シャフトがさらに回転すると、ピストンはバルブ・プレートに近づいていき、 アウトレット・ポートから油圧装置に作動油を吐出します。(吐出行程) この構造から、ピストンのストロークは、ヨークの傾斜角によって変わることが分かります。 これによって、油圧ポンプの押しのけ容積が変化します。このヨークの傾斜角は、 圧力補償機構によって制御されます。 この説明では、初めての人には分かりにくいかもしれませんね。これならどうでしょう。 図3を見てください。シリンダ・ブロックには円周上にピストンが入る穴が複数開いています。 ピストンは流れの変動を小さくするために5本,7本,9本といった奇数が選ばれます。 ピストンの一端は斜板(ヨーク)に軸方向をある隙間をもって拘束されています。 したがって、シリンダ・ブロックが回転すると、ピストンは斜板(ヨ−ク)の傾斜面上を 滑りながら動きます。この動きによって、ピストンはシリンダ・ブロックの穴の中を 往復運動することになるのです。 もっと簡単にいうと、複数の水鉄砲が順番に油を 押し出しているようなものです。この例えが一番分かりやすかった?
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